バイポーラ電源(バイポーラ増幅器)
- Bipolar Power Supply/Bipolar Amplifire
- 双极性电源/双极性放大器
- 바이폴라 전원/바이폴라 증폭기
負荷に電圧を印加したときに流れる電流は、その電圧や負荷のインピーダンスに依存する。
負荷に電圧を加え、そのときの電流をプロットしながら変化させていくと、図1のような軌跡になり、これは負荷線(ロードライン)と呼ばれる。
抵抗負荷時に直線になる負荷線は、誘導負荷では図2のような円形になる。縦軸と横軸で区切られたグラフの四つの領域を「象限」と呼び、抵抗の場合、負荷線は1象限(Ⅰ) と3象限(Ⅲ)にだけ存在する。
しかし、負荷がインダクタやコンデンサの場合には、負荷線は1象限(Ⅰ)から4象限(Ⅳ)まですべてに存在する。
バイポーラ電源(増幅器)とは、1象限から4象限の全領域で動作できる電源(増幅器)のことである。
1象限と3象限では電力を供給(ソースモード)し、2象限と4象限では電力を吸収(シンクモード)することになる。
図2のように、インダクタ(またはキャパシタ)を負荷にした場合は、負荷線が2象限や4象限にも存在するため、電力を吸収できるバイポーラ電源でなければうまく駆動できない。
Topics バイポーラ電源が吸収した電力はどこへ?
よく「第2、第4象限で吸収した電力はどこに行くのか?」と問われる。この疑問に対する回答は、大きく3つに分かれます。
- リニアアンプ方式バイポーラ電源の場合は、内部素子で熱として損失させる。
- スイッチングアンプ方式バイポーラ電源の場合で、内部の直流電源*1が電力を系統に回生*2できない場合は、吸収した電力を抵抗などにより熱として損失させる。(モータ用インバータでいうブレーキ抵抗が同じ役目。)
- スイッチングアンプ方式バイポーラ電源の場合で、内部の直流電源が系統に電力回生可能な場合は、系統に回生する。
高速応答が要求される場合は1で、大電力を扱うものは2または3の方式で実現することが多いです。
電力を吸収できるという点では、電子負荷もバイポーラ電源と同じです。CC(定電流)モードが使えるバイポーラ電源は、使い方によっては電子負荷にもなります。では逆に、電子負荷はバイポーラ電源として使用できるのでしょうか?
抵抗等の受動素子負荷が電力の供給源にはならないのと同様、多くの電子負荷は相手に電力を供給できず、第1及び第3象限での動作は限られたものになります。したがってほとんどの場合、電子負荷はバイポーラ電源とはなりません。
- :内部の直流電源系統から得た交流を、アンプ部の電源として必要な直流に変換している部分。
- :回生ここでは、系統へ電力を戻す意味。通常の電力供給を受ける場合は、力行(りっこう)という。