特集:マルチファンクションジェネレータ

エヌエフのマルチファンクションジェネレータWF1981/82/83/84について、活用事例をはじめ業務効率アップに役立つ様々な情報をご提供するページです。

活用事例

ホワイトペーパー

上流工程の製品設計段階で課題を抽出、手戻りを防ぐ信号発生器の実力

必要な波形を簡単に出力、複雑化する電子機器の評価試験を実行する

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仕様検討に、動作検証に、活用事例を紹介

マルチファンクションジェネレータの活用事例をご紹介します。開発上流の仕様検討において動作シミュレーションを行う、電源変動やノイズ発生に対する耐性を評価する、など様々な評価において活用可能です。
出力できる波形やモードの豊富さと、操作性を備え試験・実験の作業効率を高めます。
活用事例は随時更新していきます。

リチウムイオン電池充電器

リチウムイオン電池の充電は、電池温度により充電電圧・電流が細かく制御されています(充電温度プロファイル)。電池にはサーミスタが組み込まれ、検出された温度をもとに充電器と連動します。充電器には温度変化に伴う複雑な動作検証が求められます。また、温度ヒステリシス(ある動作の発生温度と解除温度が異なる場合)の評価も重要です。例えば、低温にて充電停止した後、温度がしきい値よりも十分に上がってから充電再開するようなケースです。

  • WAVE FACTORYからサーミスタ信号、およびバッテリ電圧模擬信号を出力。
  • バッテリ電圧模擬信号をバイポーラ電源に入力し、電池を模擬した電子負荷として動作させる。
  • サーミスタ信号が規定温度を超えた時、下回った時には、充電器からの電流値が変化することを確認 (CC/CV方式充電特性)。
  • WAVE FACTORYならば、低ノイズの信号出力によりサーミスタ信号を再現性高く模擬可能。シーケンス機能や任意波形を活用することで動作の切り替わりや温度ヒステリシスを効率よく評価可能。
  • 出力電圧拡張(カスタム対応)すると、バイポーラ電源を使用せずに、小容量電池の模擬が可能。

DCDCコンバータの高速負荷変動

CPUやメモリは、1.2Vなどの低電圧化とともに高速化が進んでいます。電源であるDCDCコンバータは、低電圧化により出力電圧の変動を数mVオーダに抑えることで、デバイスの誤動作や損傷を避ける必要があります。合わせて、高速化に伴うμ秒オーダの電流急変にも対応が求められます。DCDCコンバータの評価では、CPUやメモリの動作モードの急変により負荷電流がステップ状に増加した時の出力電圧の変動幅を確認します。

  • 抵抗器およびFETで試験回路を構成し、WAVE FACTORYからFETのゲート電圧Vswを入力する。
  • Vswがゲートしきい値電圧を超えるとFETがONになり、DCDCコンバータから大きな負荷電流が流れ、出力電圧Voutの負荷変動電圧ΔVが観察できる。
  • Vswスロープの傾斜調整による電流の遷移時間や、異なる抵抗器による電流値の増加幅など、負荷電流の変更が可能。
  • WAVE FACTORYならば、FETのゲート電圧の細かな変更やスロープ傾斜の変更も容易。

LED点灯制御

商品開発の上流・構想段階において、制御するハードウェア(CPU、ソフト)がなくても、モックを用いてLEDの灯数や機種の検証が必要な場合があります。バックライトや照明の点灯開始/停止など製品の質感に影響を与える制御は、PWMだけでなく電流制御を組み合わせて高品質な“光らせ方”をしたいものです。リアルタイムでオフセットや変調などのパラメタを自在に変えられる本製品の特徴を活かし、商品企画・構想段階でもLED点灯制御の最適解を導くことができます。

  • WAVE FACTORYからLEDドライバの電流制御およびPWMの2つを制御。
  • PWMだけでは減光時にちらつき、電流制御だけでは、LEDの閾値を超えないと点灯せず、急に光るように見える。
  • PWMと電流制御の双方を変化させて点灯/消灯の振る舞いを模擬できる。
  • WAVE FACTORYならば、必要な波形を手軽に出力可能。電圧や周波数を始め、PWMの変調周波数や位相などのパラメタをリアルタイムに変更可能。

電源シーケンス

複雑なシステムでは多数の電源が使われており、その起動シーケンスも大変シビアです。「同時に電源投入すること」といった難しい要求や、開発途中・終盤で判明したデバイスの問題により起動不良が発生することもあります。本製品の低トリガジッタという性能を活かし、起動タイミングのズレへの耐性評価や適正化が可能です。

  • RESET後に、電源PS2とPS3は「同時に立ち上がる」という要求。
  • 「同時」にはタイミングのズレがあり、このズレを信号発生器を使って意図的に再現させる。
  • トリガに対して欲しいタイミングで信号出力し、電源シーケンスの挙動を確認できる。
  • WAVE FACTORYは低ジッタ。トリガ信号に対して、欲しいタイミングで出力可能。

電源ラインへのノイズ印加

動作時にノイズが発生することが判明したら、システムにどの程度ノイズ耐性があるかの確認が必要です。開発が進んでノイズ対策や修正が困難な場合など、十分なノイズ耐性があるかが開発工程の判断の分かれ目になります。例えば、想定される2倍のノイズを印加して、誤動作の有無や性能への影響を見極めるなどを行います。

  • WAVE FACTORYを用いてノイズを模擬。
  • アクチュエータ動作開始など、イベント時にノイズが発生する場合は、イベントと同期して出力を開始する。
  • ノイズ量や波形を少しずつ変えながら、ノイズの影響を確認することができる。
  • WAVE FACTORYは、大容量任意波形により長時間の複雑な波形にも対応。またノイズ波形としてパラメタ可変波形を使うと、振幅や周波数に加えて、波形特有パラメタも自在に変更可能。

クロックジッタの印加

クロックはCPUやD/A、A/D等の動作の基本です。クロックジッタは必ず存在するので、システムがジッタへの耐性があるかどうか確認します。

  • WAVE FACTORYを用いて、正弦波や方形波によりクロックを模擬。
  • 周波数変調(FM)や位相変調(PM)を加えることでジッタを発生させる。
  • ジッタ量や波形を少しずつ変えながら、システムへの影響を確認することができる。
  • WAVE FACTORYは変調の設定も簡単で、変調周波数などもリアルタイムに変更可能。

スピーカのポップノイズ

アンプ電源ON/OFF時には耳障りなポップノイズ(ブチッという音)を発生します。ポップノイズはミュート回路を付加すれば抑制可能ですが、抑制の度合いによって回路やコストが変わります。模擬信号を用いてミュート回路の仕様やテスト基準値の決定などが開発途中に行えます。

  • アンプから発生するポップノイズはミュート回路で抑制される。
  • 信号発生器でポップノイズを模擬出力し、実際に聴くことで、どの程度までノイズを抑制するかを判断。
  • ノイズ波形やノイズレベルを適宜変更することで、聞こえ方も変わる。
  • WAVE FACTORYならば、波形やレベルも、出力させながら自在に変更可能。

アナログICへのノイズ印加

ADコンバータ、DAコンバータなどのアナログICはノイズに対して敏感です。アナログICのREF(基準電圧)端子は、IC内部で基準となる電圧をADCやLDOに供給することから、安定した電圧入力が必要ですが、実際はクロストークやグラウンドの揺れなどのノイズが入力に加わります。REF端子やBIAS端子にノイズを印加してアナログICがどの程度の耐性を持つかを確認します。試作時に検出されたノイズに対するアナログICの耐性を見る場合や、不具合発生時の真因を見つけるためのチェックなどに有効です。

  • クロックなど近傍の信号線からREF端子に対して、クロストークが発生することがある。
  • 最大クロストーク量を定義して、求めた模擬波形を信号発生器で印加することにより、ノイズの影響を見極める。
  • 波形やレベルなど、実際のノイズに近似した信号を印加することで、クロストーク以外のノイズへの耐性を評価。
  • WAVE FACTORYならば、出力しながら波形やノイズレベルを自在に変更可能。外部信号をトリガにした突発パルスノイズも出力可能。

マルチファンクションジェネレータ
WF1981 / WF1982 / WF1983 / WF1984

従来品比較

基本性能や仕様を大幅に改善。従来品と比較

お客様の期待に応えるべく、波形品質も従来機種にくらべて大幅に改善しています。測定データから改善度合いをご確認ください。

ノイズを大幅抑制



従来機種に比べノイズを低減。出力レンジ0.8Vp-pも備え、小振幅信号の生成に。

  • 振幅設定分解能は0.1mVp-p、安定した小振幅信号出力

立ち上がり/立ち下がり時間 7.7ns



立ち上がり/立ち下がり時間は最小7.7ns、より再現性の高いパルス波形出力が可能に。

  • 立ち上がり/立ち下がり時間は独立設定
  • 設定最小値は周期の0.0001%または7.7ns


低ひずみを実現 <0.03%

正弦波、10MHz、2Vp-p/50Ω



全高調波歪率(THD)0.03% 以下(typ.)と低ひずみの正弦波出力を実現。

  • 高調波スプリアスも大幅に改善
    -60dBc typ.(2Vp-p/50Ω)

従来機種に比べ、高調波のレベルが抑制。

安定した方形波、ジッタ <40ps rms


ジッタは40ps rms 以下 typ.(100Hz 以上)で、従来製品に比べて大幅に低減し、安定した方形波出力を可能に。

  • トリガジッタも300ps rms 以下(typ.)に低減。

ジッタのヒストグラムを比較、従来機種に比べて分布幅を改善。

基本仕様も、使い勝手も向上

  • 周波数0~30MHz /60MHz

  出力中に周波数を0にすると、その時の位相で出力電圧を維持することができます。

  • 最大出力電圧 21Vp-p、16ビット

  余裕ある出力電圧で、負荷端において適切な電圧を印加

  • 1波形あたり最大32Miワード/64Miワード

  総容量4Giワードの大容量メモリ

  • 見やすい4.3インチ TFTカラー液晶搭載
  • USBメモリインタフェース搭載

  波形データを書き込み/読み出し

  • 軽量 1.8kg
マルチファンクションジェネレータ
WF1981 / WF1982 / WF1983 / WF1984

カスタム対応

カスタム対応

お客様からのご要望に、カスタム対応にてお応えできるようになりました。

出力電圧拡張 31.5Vp-p

出力電圧を31.5Vp-p/開放に拡張が可能です。出力電流も増大し、全体にパワーアップが可能です。標準の21Vp-p/開放にくらべ、活用範囲が更に広がります。

  • 振幅設定範囲:0Vp-p~31.5Vp-p/開放、DCオフセット設定範囲: ±15.75V/開放
  • 周波数設定範囲:0~20MHz(正弦波)
  • 出力インピーダンス:5.5Ω±1Ω,不平衡、最大出力電流:0.8A DC
  • +15Vが出力可能なので、スイッチングデバイスなどの駆動が可能
  • 直列接続により最大63Vp-p出力可能
2チャネルの直列接続による電圧増加 63Vp-p

2チャネルモデルはチャネル間絶縁されているため、直列接続により出力振幅を2倍にすることが可能です。最大63 Vp-p/開放の正弦波出力を得ることができます。

※ 周波数上限は100 kHz程度、SYNC/SUB OUTには何も接続しないこと。負荷端の電圧は出力インピーダンスにより分圧され最大値とは異なることがあります。

 

共振点追尾機能

超音波関連機器に用いられる圧電素子。その駆動にもとめられる共振点追尾機能を搭載可能。圧電素子の負荷が変化しても最大効率で駆動できるようになります。バイポーラ電源と組み合わせて、高電圧/大電流をデバイスに印加。圧電素子の駆動を伴う評価に。

  • 追尾周波数:30Hz~5MHz
  • 出力電圧拡張31.5Vp-pと併存が可能
共振点追尾機能とは

駆動電圧や素子内部の温度変化などで、共振点が変動した場合でも、設定した位相となるよう共振周波数に自動で追尾します。
素子を共振点およびその近傍で駆動させる用途において、安定して出力できます。
圧電素子を用いた加工装置などにおいて、素子の駆動条件を変更しながら評価を行う場合にも有用です。

 

共振点が変動しても、設定位相となる周波数に自動で追尾
マルチファンクションジェネレータ
WF1981 / WF1982 / WF1983 / WF1984

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