FAQ - WF1973/WF1974

シーケンス機能

Q: 複数台の同期シーケンスは可能ですか?

A: 完全な同期は取れません。下記の制約があります。

  • 外部トリガ入力(BNC端子):機器間時間差 数10ns程度(開始操作のみ)
  • マルチ入出力端子:機器間時間差 2ms程度

Q: マルチ入出力コネクタの入力に対する応答時間は?

A: マルチ入出力コネクタの入力(開始、停止、ホールド、リジューム、ステートブランチ、イベントブランチ)に対する応答時間は、最大約2msです。

Q: シーケンス発振中に、外部変調、外部加算を使用できますか?

A: シーケンス発振は、通常の発振モードとは独立したモードなので、通常の変調、スイープ、バーストと組合わせて使用することはできません。また、シーケンス発振中には、外部加算はOFFになります。

Q: シーケンスにパラメタ可変波形は使用できますか?

A: 任意波形に変換することにより使用できます。

Q: ステップの切り換わり時間は?

A: 切り換わり時間は0sです。ただし、DCオフセットの変更は数100nsの遅れが生じます。

Q: ステップ0のステップ時間を設定する意味は?

A: シーケンスを開始する前の待機状態のステップをステップ0としています。ステップ0のステップ時間は、シーケンス開始時には、 この時間を待つことなく、次のステップ(通常はステップ1)に移行します。ステップ0のステップ時間は、 シーケンス終了時にパラメタをスイープさせて終了する場合に有効になります。

Q: マルチ入出力コネクタの出力端子の最大出力電流は?

A: 15mAです。マルチ入出力コネクタの出力はCMOSロジックICを電源電圧3.3Vで使用しており、直列に220Ωの抵抗が入っています。したがって、最大出力電流は、3.3V/220Ω=15mAに制限されます。

Q: 外部のロジック信号で何種類かの任意波形を順番に出力できますか?

A: ホールドをオートホールドにして、ホールド/リジューム入力の立ち下がり信号でホールド。立ち上がり信号でリジュームにすると、次の任意波形が出力されます。これを繰り返すと順番に出力できます。

Q: 10組のシーケンスプログラムを波形が途切れることなく出力できますか?

A: 一組のシーケンス内では、波形を途切れることなく出力できますが、保存している複数の組を連続的に出力することはできません。一つの組を呼び出して、コンパイル(実行形式に変換)してからシーケンスを開始します。このため、コンパイル中は波形が途切れます。10組の合計ステップ数が255以下なら、10組をまとめて一組に作り替えると波形を途切れることなく出力できます。

Q: ステップ制御パラメタのステートブランチとイベントブランチの違いは?

A: ステートブランチをONに設定すると、マルチ入出力コネクタからのステートブランチ入力で、そのステップのステップ時間経過後、指定のステップに移行します。イベントブランチをONに設定すると、ソフトキーまたはマルチ入出力コネクタからのイベントブランチ入力で直ちに指定のステップに移行します。

Q: ステップ0のステップ時間とは何ですか?

A: ステップ0は、シーケンスを開始する前の待機状態のステップです。ステップ0のステップ時間は、シーケンス開始時にこの時間を待つことなく次のステップ(通常はステップ1)に移行します。このステップ時間は、 シーケンス終了時にパラメタをスイープさせて終了する場合に有効になります。

Q: マルチ入出力コネクタにシーケンスの開始信号を入力してもシーケンスがスタートしないのはなぜですか?

A: WF1973/WF1974の初期設定は、マルチ入出力コネクタからの外部制御を禁止しています。[Sequence Setup]画面で、[ExtCtrl]をDisableからEnableに変更する必要があります。

任意波形

Q: 従来のWAVE FACTORYの任意波形作成ソフトウエアで作成した.wdbファイルを付属の任意波形作成ソフトウエアで使用できますか?

A: 「.txt形式」で保存すれば、付属の任意波形作成ソフトウエアで開くことができます。

Q: フィールド(現場)で採取した実波形を、WF1973/WF1974で再生(出力)できますか?

A: できます。付属の任意波形作成ソフトウエアを使用することにより、オシロスコープ、レコーダなどに記録した波形のテキストファイルを読み込んで、再生(出力)できます。

Q: 付属の任意波形作成ソフトウエアは電圧データを読み込めますか?

A: 電圧データを直接読み込んで再生(出力)できます。ただし、読み込んだデータは、±1の範囲に正規化されますので、本体で出力時には振幅、DCオフセットの調整が必要になります。

Q: 波形長を512Kワードに設定時、全データを出力できる周波数は?

A: 229Hz以下です。サンプリングレートは120MS/sなので、120MS/512Kワード=(120×106)/(512´1024)≒229Hz以下で、512Kワードの全データが出力できます。1ワード、1サンプリングの229Hzより低い周波数になると、1ワードを120MS/sで複数回サンプリングして出力することになります。例えば、22.9Hzでは同じデータを10回サンプリングして出力します。つまり、等価的にはサンプリングレートは12MS/sになります。229Hz以上では間引きされ全データを出力することはできません。

Q: 任意波形を切り換えると、瞬時に波形が切り換わらないのはなぜ?

A: 波形変更時には、波形メモリのデータを書き換えますので、データ点数に応じて多少の時間を要するため、瞬時には切り換わりません。シーケンス機能では、コンパイル時に使用する波形をすべて波形メモリに納めますので、ステップの変わり目で瞬時に波形が切り換わります。

変調

Q: WF1974とWF1973の同期運転で、インバータモータ試験用の変調波:120°位相差の3相PWM波形を出力できますか?

A: 内部変調波の同期が取れないので、内部PWM変調ではできませんが、外部PWM変調により可能です。

Q: PWM変調は、「ピーク偏差:方形波デューティ可変範囲拡張 0.0000%~50.0000%」の仕様ですが、0%→100%変調はできますか?

A: 「内部PWM変調:方形波デューティ比 50%」に設定して、ピーク偏差を50%に設定すると、0%→100%変調が可能です。「外部PWM変調:方形波デューティ比 50%」に設定して、ピーク偏差を50%に設定すると、-1V入力:0%、0V入力:50%、+1V入力:100%変調が可能です。

Q: AM(DSB-SC)とは何ですか?

A: Double Side Band Suppressed Carrier Amplitude Modulationの略で、両側波帯搬送波抑圧振幅変調のことです。AM変調からキャリアを取り除いた波形になります。変調信号が負のときは、出力波形の極性が反転します。AM変調ではなく、2つの波形の乗算になりますので、変調波の周波数が搬送波の周波数より高くても動作します。レゾルバ(角度センサ)の模擬信号は、0°、90°の二相のAM(DSB-SC)信号です。

スイープ

Q: 0%→100%のデューティスイープは可能ですか?

A: 可能です。

Q: 複数台の同期スイープは可能ですか?

A: 完全な同期は取れません。下記の制約があります。

  • 外部トリガ入力(BNC端子):機器間時間差 数10ns程度(開始操作のみ)
  • マルチ入出力端子:機器間時間差 2ms程度

Q: F-V(周波数-振幅)同時スイープは可能ですか?

A: シーケンス機能を使うと、周波数と振幅の同時スイープが可能です。

バースト

Q: トリガ遅延を0sに設定しても遅延が0sにならないのはなぜ?

A: 仕様で規定されていますが、定常遅延が0.55μsあります。常に設定時間+0.55μsの遅延時間になります。

Q: 外部からの接点信号で,トリガ発振は可能ですか?

A: BurstMode:Trigger,Trig:Ext/立ち下がりに設定し,接点信号をTRIG IN端子に供給するとトリガ発振が可能です。

出力

Q: 出力の短絡保護機能はありますか?

A: あります。なお、負荷インピーダンスは1Ω~10kΩの範囲で指定でき、出力端電圧値で振幅、DCオフセットを設定できます。

Q: 出力波形に、従来あった「三角波」がありませんが、三角波は出力できないのですか?

A: ランプ波のシンメトリを50%に設定すると、三角波を出力できます。

Q: パルス波の最小パルス幅25.50nsは、全周波数範囲で設定可能ですか?

A: パルス波のデューティ設定範囲は、0.0170%~99.9830%です。例えば、周波数が1kHzの場合、最小パルス幅は1ms×0.0170%=170nsになります。25.50nsに設定できる周波数は、分解能の制約もあり10kHz以上です。

Q: OUPUTがOFFになることがありますが、原因は?

A: 出力端子に外部から電圧を印加されたときなどに、保護のためにOFFになります。ファームウエアのバージョンが1.30以降では、オーバロードのエラーメッセージが表示されてOFFになります。取扱説明書(応用編、003版以降)をご覧ください(エラーメッセージ 23133: Output overload detected;Output turned off)。外部からの印加電圧が大きい場合は、故障する可能性があります。故障した場合は、電源を再起動してもエラーメッセージは消えません。

Q: 出力をONにすると、波形の最初の部分が崩れますがなぜですか?

A: 出力のON/OFF操作は、波形とは非同期に出力のリレー回路によって行われます。このため、波形の最初の部分はリレーのチャタリングで乱れます。回避策としてnゲートまたはトリガドゲート発振を使用すれば、発振開始位相から波形が崩れることなく出力できます。

Q: 出力波形を切り替えたときに波形が不連続になるのはなぜですか?

A: 出力部の波形メモリは1個だけのため、波形を切り替えるごとに波形メモリに新たな波形を書き込んでいます。そのため、書き込み時間の間は波形が不連続になります。パネル設定をストアしてリコールした場合も、波形が切り替わると同じ現象が起こります。シーケンス機能を使えば、コンパイル(実行形式に変換)時に使用する波形をすべて波形メモリに納めますので、ステップの変わり目で瞬時に波形が切り替わります。

Q: +5Vにプルアップしているロジック回路に方形波を入力したときに、0Vのときは電流が逆流して発振器が破損しませんか?

A: 一般にプルアップ抵抗は、小さくても1kΩ程度(普通は数kΩ~数10kΩ、WFのトリガ入力のプルアップ抵抗は10kΩ)です。プルアップ抵抗が1kΩだとすると、ロジック入力電圧が0Vのとき、5V/1kΩ=5mAの電流がロジック入力回路から外部へ逆流することになります。この程度の電流を流し込まれてもWF1973/WF1974は破損することはありません。
また、WF1973/WF1974の出力インピーダンスは50Ωなので、これによるWF1973/WF1974出力端の電圧上昇は5mA×50Ω=0.25Vです。これは、5VのTTLロジックのローレベルスレショルド0.8Vに対して十分余裕があるので、対象ロジック回路を誤動作させる心配はありません。5VのCMOSロジックであれば、さらに余裕があります。

Q: WF1973/WF1974の最大出力電流は?

A: 出力電流は負荷のインピーダンスによって変わります。

  • 例1:負荷インピーダンスが50Ωの場合、出力電流=20Vp-p/(50Ω+50Ω)=200mAp-p
  • 例2:負荷インピーダンスが1Ωの場合、出力電流=20Vp-p/(50Ω+1Ω)=392mAp-p

短絡すれば400mAp-p(=20Vp-p/50Ω)流し続けられます。出力インピーダンスの50Ωが最大出力電流を制限しています。

外部制御

Q: サンプルプログラムはありますか?取扱説明書に掲載されていません。

A: 付属のCDに、VB、VC#、VC++、VBAで書かれた「設定と問い合わせ」のサンプルプログラムが格納されています。参考に、WF1973/WF1974をプログラム(Visual Basic 2005)で制御する事例をご紹介します。

従来のWAVE FACTORYとの比較・互換性

Q: WF1973/WF1974と従来のWAVE FACTORYの違いは?

A: セレクションガイドをご覧ください。

Q: 外部制御コマンドの互換性はありますか?

A: 従来のWAVE FACTORYの外部制御コマンドは、2つのタイプがあります。

  • タイプ1:当社の独自コマンド
  • タイプ2:SCPI、IEEE-488.2と一部互換性あり(規格には準拠していない。)

WF1973/WF1974はSCPI、IEEE-488.2準拠なので、従来のWAVE FACTORY のタイプ2と一部互換性があります。

Q: 波形振幅分解能の違いは?

A: WF1973/WF1974の波形振幅分解能の仕様は、約14ビット(36mVp-p以上/開放)です。従来のWAVE FACTORY は、D/Aコンバータの出力をアナログ的に制御しているので、波形振幅分解能は14/16ビット固定です。WF1973/WF1974は、D/Aコンバータの入力のディジタル信号を制御しているので、出力レンジ内で振幅を絞ると波形振幅分解能は減少します。出力レンジのフルスケール振幅において、約15.8ビット、出力レンジフルスケール振幅の0.285倍において、約13.9ビットです。36mVp-pは、最小出力レンジ126.5mVp-pの0.285倍です。

Q: マニュアルトリガ発振時にトリガ遅延が動作しません。遅延時間を設定できないのですか?

A: 従来のWAVE FACTORYは、マニュアルトリガ発振時に遅延時間の設定が有効ですが、WF1973/WF1974は無効になります。
内部/外部トリガでは遅延時間の設定が有効です。2チャネルで遅延時間の違う波形を出力したい場合は、両チャネルとも外部トリガに設定して、CH2を外部トリガ立ち下がりにし、CH1のバースト同期信号をCH2のトリガ入力に供給することにより、CH1のマニュアルトリガキーの操作で遅延時間の違う波形を出力できます。

Q: 外部AM変調で、従来のWAVE FACTORYに比べて入出力の遅延時間が大きいのはなぜ?

A: 外部AM変調回路はディジタル乗算器を用いております。50kHzのローパスフィルタを通して200kHzのサンプリング周波数でA/D変換しているため、約23msの遅延が発生します。従来のWAVE FACTORYの拡張機能タイプの外部AM変調はアナログ乗算器ですので、遅延時間は100ns以内です。

Q: 方形波をローレベルのデューティ比で設定できますか?

A: 波形の極性をINVERT(反転)に設定することで可能です。従来のWAVE FACTORYは、INVERT機能はありません。

Q: SYNC OUTとの位相差を設定できますか?

A: 設定できます。従来のWAVE FACTORYは設定できません。

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