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技術情報:計測講座 

I/Vアンプ(電流/電圧変換増幅器)

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     7.入力結合

プリアンプの入力結合には、交流結合(AC Coupling)と直流結合(DC Coupling)があります。(図1)
交流結合は、直流(低周波)成分を除去してからプリアンプに入力する方式です。

 

               図1

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1 kHz以下には1/fノイズと呼ばれる半導体が発する低周波雑音があります。 また、50 Hz~3 kHz程度の範囲には、商用電源とその高調波が混入するハム雑音もあります。このため、低雑音化を目的とした交流結合では、主に1 kHz~10 kHz以下の信号成分を除去することが多いです。(図2)
また、入力信号の直流成分を除去できることから、微小信号を高利得で増幅しやすいというメリットも交流結合にはあります。直流を除去しつつ1 mHz程度までの交流結合を実現することもありますが、一般的には10 Hz程度が交流結合の下限値です。
一方の直流結合では、直流(低周波)成分も交流成分も一緒に増幅します。 高利得での増幅は、アンプの出力が出力最大電圧を超えないよう注意が必要です。

 

では、どちらの結合方式が優秀なのでしょうか。
例えば熱電対で温度を測定するためのプリアンプとその周波数帯域について考えてみます。


熱電対の出力電圧は微小であり、マイクロボルト(μV)以下の検出が要求されることもあります。一般には、直流電圧に限定することで微小な電圧の検出をしていますが、温度変化を検出したい、というアプリケーションは少なくありません。この場合は、プリアンプにもそれなりの帯域(応答速度)が要求されます。


1日を通した室温の変動を記録することを考えてみます。室温の変化は、日照や冷暖房の影響により発生しますので、変化にかかる時間は秒単位から分単位の、ゆっくりとしたものです。
この変化は周波数で表すと1 Hz以下の低周波です。また、室温の場合は温度そのものの検出も求められることが殆どです。したがって、室温検出には直流結合のプリアンプが必要です。室温検出に交流結合のプリアンプを持ってきてしまうと、温度変化はほとんど検出できません。
一方で、高速応答が可能な熱流センサや薄膜熱電対を使用して、瞬間的な熱移動を検出する用途があります。高速信号の検出では、交流結合のプリアンプも使用できます。なぜなら、熱平衡状態(熱移動が無い)の出力は直流成分であり、欲しい情報は不平衡になる(熱移動がある)瞬間だけだからです。
もちろん、高速応答(熱移動の検出)をしつつ、直流成分(絶対温度の検出)も必要という場合もあります。この場合は、熱電対と熱流センサを併用したり、低雑音かつ周波数が高域まで伸びているプリアンプを使用する方法があります。
したがって、直流結合と交流結合のどちらが優秀というわけではなく、欲しい信号、検出したい信号の特性を把握したうえで適した方式を選択する必要があります。

 

               図2

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6.温度ドリフト

 


 

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