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技術情報:計測講座 

I/Vアンプ(電流/電圧変換増幅器)

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     5.信号源インピーダンスに応じたプリアンプの選定

では、どうやってプリアンプを選定すればよいのでしょうか?
一つの指標として、プリアンプの性能を使用して下記の計算式で求めたインピーダンス値(ZOPTIMUM)があります。


ZOPTIMUM [Ω] = (入力換算雑音電圧密度 [V/√Hz])÷(入力換算雑音電流密度 [A/√Hz])


このZOPTIMUMは、プリアンプが低雑音を発揮できる 信号源インピーダンスの目安です。 ZOPTIMUM以下の信号源インピーダンスが、 プリアンプにとって望ましい信号源です。
では、ZOPTIMUMを計算してみます。 SA-230F5で0.25 nV/√Hz ÷ 5.0 pA/√Hz = 50 Ωです。 SA-220F5では0.5 nV/√Hz ÷ 200 fA/√Hz = 2.5 kΩです。
この値を元に、どのセンサにどのプリアンプが適しているか判定します。 プリアンプの、信号源インピーダンスまで含めた入力換算雑音電圧密度は 以下のような計算式で求めます。

 

img07

 

式中の記号は、Vnはアンプ自身の入力換算雑音電圧密度 [V/√Hz]、Inはアンプ自身の入力換算雑音電流密度[A/ √Hz]、Rは信号源インピーダンス(センサなどの出力インピーダンス)[Ω]、KBはボルツマン定数[J/K]、 Tは絶対温度[K]です。
この式を使って、センサの出力インピーダンスを模擬するために0 Ω、50 Ω、1 kΩの三種類の抵抗を入力に繋いだときに、SA-230F5とSA-220F5のどちらが低雑音なのかを検証します。

 

 

ZOPTIMUMの値と、抵抗を繋いだ時の入力換算雑音電圧密度を表1にまとめました。また、接続した抵抗の常温での熱雑音も載せました。
0 Ωの抵抗を接続、つまり入力を短絡した状態では、SA-230F5が良好な低雑音性能を発揮します。
しかし50 Ω抵抗を繋ぐと、SA-230F5とSA-220F5の雑音の差は非常に小さくなります。そして、1 kΩ抵抗では、SA-220F5のほうが低雑音という結果になりました。


SA-230F5は、入力部のデバイスにバイポーラトランジスタ(bipolar transistor)を使用しています。バイポーラトランジスタは、動作するためにベース電流が流れています。 ベース電流の影響で、入力換算電流雑音密度も大きくなってしまいます。電流は抵抗に流れると電圧に変換されるので、抵抗値が大きいほど入力換算電流雑音密度の影響も大きくなります。
一方で、SA-2205Fの入力部は接合型電界効果トランジスタ(junction FET,JFET)です。FETのゲートには極めて微量の電流しか流れません。このため、入力換算電流密度は小さな値に留まります。
結果として、実際にセンサを繋いで動かすことを考えると、FET入力のほうがバイポーラトランジスタ入力より良好な雑音特性を示す場合が多いです。

 

表1

 

ZOPTIMUM

0 Ω

50 Ω

1 kΩ

リンク SA-230F5

50 Ω

0.25 nV/√Hz

0.98 nV/√Hz

6.45 nV/√Hz

リンク SA-220F5

2.5 kΩ

0.50 nV/√Hz

1.04 nV/√Hz

4.11 nV/√Hz

参考:信号源の熱雑音

N/A

0 nV/√Hz

0.91 nV/√Hz

4.07 nV/√Hz

 

 

SAシリーズのZOPTIMUM図1に示します。


なお、ZOPTIMUMを アンプのデータシートから読み取れない場合もあります。
このような場合には一つの目安として、信号源インピーダンスの10倍以上の入力インピーダンスを持つプリアンプを 選定する事をお奨めします。例えば信号源インピーダンスが100 Ωなら1 kΩ以上です。
信号源インピーダンスがよく分からないセンサに使いたい、用途を限定せず汎用的に使えるプリアンプが欲しい、という場合には、まずはFET入力を採用したプリアンプをお奨めします。

 

図1

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4.プリアンプの入力インピーダンス

6.温度ドリフト

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