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技術情報:計測講座 

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    ひずみのない正弦波

 

     1. 方形波から正弦波を作る
As-907を使用すると信号源の質が悪くても、正しい測定が可能となります。
例えば、方形波を入力しても理想に近い正弦波を作ることが可能です。この測定系で使用する発振器の出力が正弦波でなく、方形波で構わないということです。方形波は基本波と奇数次の高調波のみで構成されています。3次の高調波成分は約−10dBです。As-907の3次の減衰量は110dBc以上あるので、方形波を入力した際に、3次の高調波成分は-120dBc以上になります。また、3次のひずみ率も-120dBc以上あります。As-907に方形波を印加することで、高調波ひずみが−120dBc以上の正弦波を作ることができます。A/D変換器のひずみを測定する際には、入力信号のジッタがA/D変換器の特性に影響を与えますが、低ジッタの方形波をAs-907に通すことで、低ジッタかつ低ひずみの正弦波を生成し、A/D変換器のひずみを測定することが可能になります。
もちろん、質の良くない信号源からの正弦波も、As-907を通すことでひずみの小さい正弦波にすることが可能です。

 

     2.As-907を通した方形波

As-907による正弦波のひずみ率

発振器で1MHzの方形波を出力し、As-907に通した場合の信号のスペクトルを図1に示します。方形波出力の1MHzの成分を基準とした値です。

 

図1 方形波のスペクトルとAs-907を通した後のスペクトル

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方形波は奇数次の高調波成分の和でできているので、スペクトルも奇数次が大きく出ていることがわかります。また、今回使用した発振器では-40dBc程度の偶数次高調波も含まれていることがわかります。この方形波信号をAs-907に通すことで、基本波以外の成分がかなり小さくなっていることがわかります。測定器のダイナミックレンジによって、図1では-80dBc程度までしか下がって見えませんが、2次と3次のひずみをAs-915を使って測定すると、高調波成分は表1に示すような値になります。

 

表1 As-907を通した方形波の2次・3次ひずみ

2次ひずみ -133.9dBc  
3次ひずみ -130.8dBc  

 

これらの結果から、As-907を通すことで、ひずみ率が-120dBcを超える正弦波を生成することができます。
今回は方形波から低ひずみの正弦波が作れることをご紹介しましたが、ひずみの大きな正弦波をAs-907に通すことで、方形波の時と同様に低ひずみの正弦波も作れます。
As-907を用いることで、発振器のひずみを抑えて、理想に近い低ひずみの正弦波が得られますので、研究などに用いてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

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部品や回路を通過する際に発生するひずみの計測(THD測定)

   

 


 

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