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技術情報:計測講座

I/Vアンプ(電流/電圧変換増幅器)

微小な電流信号を測定するために

微小な電流信号を測定するためには、低雑音のI/Vアンプを使用することが重要なのは言うまでもありません。さらに、適切な測定機器の設置や最適な測定条件に設定することが大切です。ここでは、微小な電流信号を測定する際に注意するべき点を紹介します。

 

 

 

 信号増幅前の雑音低減方法

センサからI/Vアンプで増幅するまでの入力部において、主に下記2点に注意する必要があります。

 

外来雑音の影響を小さくする 

I/Vアンプの入力部の信号レベルは小さいため、外来雑音による影響を最小限にすることが重要です。外来雑音を低減するためには、下記の対策が効果的です。

 

i) センサからI/Vアンプの入力までの配線を可能な限り短くする。
ii) ケーブルには同軸ケーブル等のシールドされた線材を使用する。シールドされた線材を使用できない場合、銅箔やアルミテープでシールドする、またはシールドケースに収納する。
iii) 直流電源などのトランスを内蔵した機器(磁気を発生する物)がある場合、センサおよびI/Vアンプをできるだけ離す(1 m以上離すと効果的)。
iv) I/Vアンプやケーブルを振動の少ない場所に設置・固定する。(ケーブルが振動すると、マイクロフォニックノイズを発生する場合があります。利得が高いI/Vアンプでは音(声)やFAN等による振動も影響する場合があります。)
v)

I/Vアンプを取り付ける場所が金属等の導電体である場合、I/Vアンプと取付対象を絶縁する(GNDループによる雑音の影響を小さくできます)。なお、SA-600シリーズに付属の絶縁型ボトムプレートをご使用頂くと、簡単に絶縁できます。

 

 

I/Vアンプの入力付加容量Csを小さくする 

一般的に、I/VアンプのCsが大きくなると、下記のような影響があります。

 

a)  I/Vアンプの動作が不安定になる

b)  雑音が増加する

 

a)については、I/Vアンプの特長の「入力に大きな容量が付いても安定動作」で説明しましたので、ここでの説明は割愛します。なお、弊社のSA-600シリーズを使うことでCsによらず、安定したI/Vアンプの動作が実現可能です。

b)について、図9に示す一般的なI/Vアンプの回路図と入力換算雑音電流のグラフを用いて説明します。
図9に示すように、入力換算雑音電流は周波数が高くなるに伴い増加し、I/Vアンプ内部回路の動作範囲を超えると減衰します。Csが大きいと、入力換算雑音電流はより低い周波数から増加し始めるため、雑音電流は大きくなります。
図10に、SA-607F2(LPF設定=THRU)においてCsが10pFと1000pFのときの出力雑音波形を示します。Csが100倍大きくなると、出力雑音が10倍以上になっており、微小信号検出のためにはCsを小さくすることが重要であることがわかります。
Csを小さくするためには、容量の小さいセンサの選定、センサからI/Vアンプまでの配線長を可能な限り短くすること、容量の小さいケーブル(特性インピーダンスが大きなケーブル)の選定が効果的です。なお、参考としてBNC同軸ケーブルの種類とその容量値を表5に示します。一般的に販売されている同軸ケーブルの特性インピーダンスは50Ωまたは75Ωです。これらのケーブルをできるだけ短くして使うことが簡単にCsを小さくできる方法です。

 

図9 : 一般的なI/Vアンプの回路図と入力換算電流雑音

 

(a) I/Vアンプの簡易回路図

img12

   

(b) 入力換算電流雑音の
周波数特性

 

img13

 

 

図10 : Csに対する出力電圧波形

 

(a) Cs=10pF時
img14

   

(b) Cs=1000pF時
img13

表5 : 同軸ケーブルの種類とその容量値

特性インピーダンス

同軸ケーブル

容量

50Ω

3D-2V等、RG-8/u等

約100pF/m

75Ω

3C-2V等、RG-11/u等

約67pF/m

95Ω

RG-22/u等

約53pF/m

125Ω

RG-63/u等

約33pF/m

 

 

 

 

 増幅後の雑音低減方法 next

 


 

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