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技術情報:計測お役立ち情報
インピーダンス測定のトラブルの解決法
燃料電池の交流インピーダンス測定
地球の環境を保全する意識が高まる中で、電気エネルギーの新たな蓄積法として燃料電池がクローズアップされてきました。
インフラとしての大容量なものから、電気自動車向けの中容量のもの、あるいはノートパソコンなどモバイル機器用の超小型まで、各所で熱い開発競争が繰り広げられています。
燃料となる水素の蓄積法や電気への変換法も様々です。
測定の意義
電池では、第一に蓄積できる電力や取り出し得る最大電流など、スタティックなパラメータが評価されますが、ダイナミックな応答特性を評価するにはインピーダンスの周波数特性を知る必要があります。
内部の電気化学的な反応プロセスと、電気特性との対応も解明しなければなりません。
問題点
燃料電池のインピーダンスは、出力の電流値によって大きく変化します。
したがって、負荷を接続した状態で、燃料電池だけのインピーダンスを測定しなければなりません。
LCRメータなどでは、できない測定です。
測定器に直流がかかる
相手は電池ですから、測定器の測定端子に大きな直流が加わります。
この直流電圧のために、LCRメータやネットワークアナライザなどの入出力回路が飽和したり、壊れる危険があります。
直流をカットするためにコンデンサを挿入することも考えられますが、電源の出力インピーダンスが小さいので、大容量の結合コンデンサが必要です。
10Hzを下回るような低域までの測定を考慮すると、現実的なアイデアではありません。
並列インピーダンスが存在する
負荷を接続した状態で測定する必要がありますが、知りたいのは、電源のインピーダンスです。負荷との合成インピーダンスではありません。
LCRメータでは、機器内部で電流を検出するので、特定部分だけのインピーダンスを測定できません。
LCRメータと測定電流
超低周波の測定になる
電気化学的な反応による現象を解明するには、1Hz以下の周波数、場合によっては1万分の1(100μ)Hzという超低周波までの測定が必要です。
LCRメータやネットワークアナライザ、インピーダンスアナライザでは、こうした周波数領域に対応できません。
解決法
超低周波の測定では、測定に時間がかかることがあるため、右のように、パソコンを用いて測定を自動化すると便利です。
なお、負荷電流を様々に設定できるように、交流電子負荷装置を併用します。 |
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インピーダンス測定システム
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専用の「燃料電池インピーダンス測定システム 」も用意されています。
手順は以下の通りです。
FRAの信号源出力信号を電子負荷の信号入力に接続し、電子負荷の電圧と電流出力をFRAに接続したうえで、電子負荷で直流的な負荷電流を設定します。
次に、FRAから微少な交流的負荷変動を電子負荷装置に与えます。
そして、これによる燃料電池の交流的な電圧と電流の変化をFRAで捉えます。
メリット
- FRAの測定入力は高耐圧ですから、測定対象の出力によって飽和したり壊れてしまう心配がありません。
例えば、FRA 5095の最大入力電圧は250Vrms/350Vpあります。そのうえ、オートレンジングなので、レンジ設定が不要です。
- 直流に対する感度がありませんので、交流分に最適な感度で測定できます。
- FRAは、0.1mHzという超低周波から測定できます。上限は機種によって異なりますが、最高では15MHzまで(FRA5096)の測定が可能であり、この範囲でスイープする周波数幅に制限はありません。
- 負荷に流れる電流(=燃料電池の出力電流)を測定しているので、負荷との並列インピーダンスを測定しまう心配がありません。
負荷電流の大きさは、電子負荷で自由に設定できます。
実測例
以下に実測例を示します。
電気化学測定では、図のように周波数変化に伴うインピーダンスの軌跡を複素平面上に描くコールコールプロットが一般的です。
また、電圧と電流を取り出しているので、通常の電流-電圧特性描画 (ターフェルプロット*)も可能です。
*:ターフェルプロットは、任意のポイントで直流電流を設定して測定します。
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燃料電池のインピーダンス特性
(コール-コールプロット)
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燃料電池の負荷特性
(ターフェルプロット)
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