株式会社エヌエフ回路設計ブロック
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技術情報:計測お役立ち情報

伝達特性の測定:測定に使用する計測器

伝達特性を測定する計測器

数MHz以下の比較的低い周波数での伝達特性を測定するためには、

  • 信号源を内蔵したFFTアナライザ
    (FFTサーボアナライザ)
  • 周波数特性分析器
    Frequency Response Analyzer)
FFT FRA

の2種類が一般的に使用されています。これらはいずれも測定用の内蔵信号源を持ち、被測定回路を通過する前後(入力および出力)の信号を各々ディジタル演算 (フーリエ変換) して、増幅率(ゲイン)および位相を求めて、伝達特性を求める測定器です。 それぞれの測定器について、比べてみましょう。

 

測定原理の違い

FFT FFTで使用される測定用の信号(内蔵信号源)には、インパルスやランダムノイズ、スエプトサインなどがありますが、何れも広い周波数成分を含んでいることが特徴です。

図:FFT測定原理

 

 

FRA FRAの測定用信号源は、周波数一定の正弦波です。広い周波数範囲で伝達特性を測定するために、周波数を少しづつ変えて(スイープして)繰り返し測定します。

図:FRA測定原理

 

測定の正確さ

FFTは、測定レンジを固定して測定します。そのため、小さな成分は雑音に埋もれて測定誤差が大きくなります。
一方、FRAは、一度に1つの周波数成分しか測定しませんので、その都度最適な測定レンジに自動的に設定して測定します。
つまり、小さな信号成分の測定時は、感度を上げて測定することにより、良好なSN比(良好な測定確度)で分析することが可能です。

 

自由な周波数分解能

FFTでは、周波数軸で等間隔の分析結果が得られます。そのため、周波数軸をログスケールにすると低周波側が粗く、高周波側が極端に高密度なデータとなります。
一方、FRAでは、任意の周波数ポイントで測定できますので、ログスケール上で等間隔にすることもできます。

 

伝達特性の測定について、FRAとFFTを比較してみましょう。

比較項目 FFT FFT
信号源 インパルスまたはノイズ、スエプトサインなど 正弦波
測定信号によって系が飽和する可能性 誤測定に要注意
(飽和の可能性高い)
安全・安心
(飽和の可能性低い)
ダイナミックレンジ 狭い
1レンジで測定
非常に広い
自動レンジ切換え
周波数分解能
(測定点の分布)
サンプリングで決定/周波数に均等に分布 (周波数を対数表示すると、高域に比べ低域が粗くなる) 任意(細かくも粗くも)/周波数に対数的に分布 (周波数を対数表示した時に分布)
測定信号の注入 工夫が必要 容易(アイソレーション信号源)
窓関数の設定 必要(複数の中から選択) 不要
測定手順 1. アナライザの周波数レンジを選択
2. 信号の種類とレベルを決める
3. 窓関数を選択
1. 被測定物の周波数範囲と分解能(任意)を入力
2. 信号レベルと積分回数を決める
測定値の平均化 平均化回数で設定
サーボ系では必ず平均化が必要
積分時間で設定

 

伝達特性の測定例