株式会社エヌエフ回路設計ブロック
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微少信号測定器

ディジタル ロックインアンプ

LI5630/LI5640

FAQ 

機能・性能 

#01 Q: ロックインアンプの測定対象となる信号は?
A:

原理的に交流信号が測定対象です。
直流測定機能も搭載されていますが、これはロックインアンプの原理ではない補助的な機能です。

Q: 測定電圧の単位はピークですか、または実効値ですか?
A:

測定信号の特定の周波数成分(正弦波)の実効値[Vrms]を表示します。

信号の各位相成分(X、Y)、信号の大きさ(AまたはR)はいずれも実効値です。

#01 Q: 測定できる信号レベルはどのくらいまでですか?

A:

条件がよければ最高感度2nVの数分の一まで可能です。

ただし、すべての条件で可能となるわけではなく、信号とノイズの比率などによっては測定感度が悪化します。そのような場合は、ロックインアンプの前段でフィルタやプリアンプを追加するなどノイズをあらかじめ少なくなるように環境を整備し、さらに時定数を非常に大きく取る必要もあります。また、参照信号の漏れ込みなども十分にシールドしてください。

#01 Q: 除去できるノイズはどのくらいですか?
A:

ダイナミックリザーブが100dB(10万倍)以上です。

測定対象信号の周波数にごく近接したノイズがなければ、レンジフルスケールの10万倍の大きさのノイズでも除去できます。1μVレンジで100mVrmsのノイズに相当します。

#01 Q: 自動感度設定キーをONにした時のレンジ切り換えの上限、下限は?
A:

上限はレンジフルスケールの110%、下限は30%です。

#01 Q: 直流電圧を測定できますか?
A:

直流電圧測定機能があります。

±12Vまでの直流電圧を1mV分解能で測定できます。LI5630は1チャネル、LI5640は2チャネルの電圧を測定できます。

#01 Q:

仕様では最小電圧感度2nVということですが、2nVの入力信号で校正していますか?

A:

信号入力1μVで校正しています。

確度仕様が明確化されているのは1μVまでです。2nVは回路の設計上の理論値とお考えください。

#01 Q:

ロックインアンプのレンジ間電圧測定誤差はどのくらい?

A:

電圧確度は±2%(1kHz)です。

測定条件、手順はLI5630取扱説明書、LI5640取扱説明書の保守の項を参照してください。誤差が大きいときは校正または修理が必要です。当社営業にお問い合わせください。

#01 Q:

LI5640には参照信号用発振器が搭載されているが、必ず使用しなければなりませんか?

A:

必須ではありません。

ただ、搭載されている発振器を測定対象に対する印加信号として使用すると、参照信号としても使用できるので便利にお使いいただけます。

#01 Q:

参照信号がなくても測定できますか?

A:

可能です。

ロックインアンプは原理的に参照信号が必要ですが、LI5640では参照信号がない場合でも測定対象信号に同期して測定が可能です。ただし、信号のノイズレベルが少ない等の制限があります。

用途・使い方 

#01 Q:

微少信号のさらにその変化分を測定できますか?

A:

可能です。

測定信号値から一定量を差し引き、その差分を拡大して観測する方法(1)と、微少信号の変化を交流にする工夫をして2台のロックインアンプにて測定する方法(2)があります。

Tips 

方法(1)では、出力オフセット機能を用いてXとYの測定値から固定値をさし引く、またはその測定値そのものを基準とする(つまり0とする)方法をとります。ただし、Rとθは直接オフセット出来ず、XとYから算出します。

さらに、XとYの表示値はその測定レンジの範囲のなかでは比較的小さな値になるので、出力エキスパンド機能を用いて、見かけの感度を10倍または100倍にして測定します。例えば、500mVレンジで測定値を基準とすると表示は0.0mVとなりますが、出力エキスパンド機能を用いると表示は0.000mV表示となり、1μVの分解能での測定が可能になります。具体的な操作方法はLI5630取扱説明書 「4.7.3 X、Yオフセット」「4.7.4 表示の拡大(EXPAND)」、およびLI5640取扱説明書 「4.8.3 X、Yオフセット」「4.8.4 表示の拡大(EXPAND)」を参照ください。

方法(1)では測定装置そのものの利得やゼロ点の安定性の限界により限度があります。その際には方法(2)が選択肢となります。ただし、変化だけを測定できればよくて、同じ変化を繰り返せる(周期性、つまり交流にできる)ことが条件です。この場合、1台目のロックインアンプで微少信号を測定し、さらに、そのアナログ出力を2台目のロックインアンプで測定することで、変化をみる事が出来ます。

#01 Q:

接地について注意すべき点は?

A:

ノイズの影響を少なくするために接地は重要です。測定対象となる信号源が接地されているときは、ロックインアンプの入力接地をFLOATにするか、A-B(差動)で入力して、ロックインアンプ側では接地しないでください。信号源が接地されていないときは、ロックインアンプの入力接地をGROUNDにしてください。

Tips

接地をする際には次の点に配慮してください。

  • 通常、電位の基準点は、信号源の基準側端子
  • 信号のグラウンドラインに雑音電流を流さない(1点接地) 
  • 差動入力の場合には外部導体(シールド側)の電位を一定に保つ(適切に接地)
  • 筐体の電位を一定に保つ(適切に接地。雑音電流の流入を減らすとともに、接地間インピーダンスを下げて、接地間電位差を小さくする)
#01 Q:

方形波や幅の狭いパルス信号の大きさを測定できますか?

A:

これらの信号の基本波成分の実効値が測定表示されます。

LI5630/LI5640で信号の大きさを測定すると、その基本波(繰り返しの周波数成分)の実効値が表示されます。幅の狭いパルス(デューティ比の小さなパルス)でも測定はできますが、測定値は、あくまで繰り返しの基本波成分の実効値です。高調波成分はすべて雑音とみなされます。

Tips

デューティ比がd(0~1)のパルスでは、パルス振幅をE [Vp-p]とすると基本波成分の実効値はE(√2/π)sin(π・d)になります。振幅が2Vp-p、デューティ比が50%(d=0.5)なら、2√2/π・sin(0.5π) となり、おおよそ0.9 [Vrms]となります。デューティ比が小さいと、S/Nやダイナミックリザーブの点で不利です。

なお、高い周波数ではダイナミックリザーブが低下するので、急峻な信号を入力すると、アナログ信号出力がひずむことがあります。信号が大きいときや、デューティが小さいときは、高調波を減衰させるフィルタを使うとよいでしょう。

 

#01 Q:

単発的なパルス信号の測定はできますか?

A:

難しいです。ロックインアンプは原理的に連続的な交流信号が測定対象です。

#01 Q:

本体表示されるDATAとアナログ電圧として出力されるDATAを別々のパラメタに設定できますか?

A:

できません。

DATA1とDATA2の2つのパラメタが出力されますが、例えばDATA1の本体表示(アナログメータとLEDによる数字表示)とパネル前面コネクタから出力されるアナログ電圧はすべて同じパラメタとなります。

#01 Q:

3つ以上のパラメタの同時測定はできますか?

A:

原則的にはDATA1とDATA2で設定できる2つのパラメタが同時測定可能です。

ただし、リアパネルのX OUT・Y OUTコネクタからは上記の設定にかかわらず、XとYのアナログ電圧出力が得られます。例えばDATA1と2をそれぞれRとθに設定すれば、合計4つのパラメタの同時測定が可能です。なお、データ更新レートがリアパネルとフロントパネルの測定値アナログ出力との間で異なりますのでご注意ください。

#01 Q:

測定値アナログ出力やモニタ出力の電圧値から信号入力の大きさを換算できますか?

A:

換算できます。

ただし項目によっては感度設定やダイナミックリザーブによっても変化することにご注意ください。詳細は以下の取扱説明書の該当項目をご参照ください。

  • 測定値アナログ出力:LI5630取扱説明書「4.7 測定パラメタの選択と関連操作」、LI5640取扱説明書「4.8.2 測定パラメタの設定」
  • モニタ出力:LI5630取扱説明書「4.9 モニタ出力」、LI5640取扱説明書「4.13 モニタ出力」
#01 Q:

絶対値測定ではなく、ある基準からの変動比率を表示できますか?

A:

可能です。

LI5640ではノーマライズ機能を使用することで、基準として設定した値に対する比をdBまたは%で表示できます。設定方法はLI5640取扱説明書「4.8.5 ノーマライズ」を参照ください。

製品比較 

#01 Q:

アナログロックインアンプに比べて、ディジタルロックインアンプLI5630/LI5640の優位点はなんですか?

A: ディジタルロックインアンプは入力のプリアンプ以外をすべてディジタル化しています。アナログロックインアンプ5610Bに対するLI5630/LI5640の優位点は下記のとおりです。
  • アナログ出力のゼロ点ドリフトが小さく、微少信号計測に有利。
  • アナログでは得られない極めて低い周波数1mHzからの測定を実現。5610Bは0.5Hzからの測定。これにより赤外線分光や温度応答などの低速の現象解析への応用が可能になった。
  • 測定信号の変化にたいして応答が高速でスムーズ。位相検波部の最小時定数は10μs、5610Bは1ms。測定値アナログ出力で用いられているD/A変換は最高256S/s、16ビットの高速&高精度。
#01 Q:

LI5630とLI5640の相違点は?

A: 下記のとおりです。
機能 LI5640 LI5630
入力 電圧入力
電流入力
参照信号 内部・外部・信号 外部
出力 測定項目 X, Y, R, θ, NOISE, AUX IN X, Y, R, θ
数値, メータ, 外部DC出力 2出力 1出力
X, Y, R, θ更新レート 256kサンプル/秒 256kサンプル/秒
内部発振器

データ取り込み 

#01 Q:

変化の早い微少信号をパソコンに取り込む方法はありますか?

A: 変化の早い信号データ(例えば62.5μs~20s程度のサンプリング周期で変化が対応できるもの)を取り込むときは、データのまとまりを取り込んでGPIBを通して一括でパソコンに転送するデータメモリ機能があります。LI5630/LI5640のGPIBの逐次データ読み出し・転送速度は測定時定数の最小値に比べ遅い上に、最低データ転送速度が保証されていないため、変化の速い信号ではデータメモリ機能を推奨します。

変化の遅い信号を測定するときは、データメモリ機能を使用せずにGPIBの逐次データ読み出し・転送でパソコンにデータを取り込む方がプログラムは簡単になります。

Tips

データメモリ機能は測定したい信号の変化の速さによって以下の様な使い分けを推奨します。

  • 変化の早い信号の場合

62.5μsから20sの周期でデータを取り込みたい場合は、データメモリの使用を推奨します。

  • 変化の遅い信号の場合

0.1sから10000.0sの周期でデータを取り込みたい場合は、データメモリを使用せずにOSMPコマンドでサンプリング間隔を設定して取り込むことができます。

 参照:LI5630取扱説明書5-30ページ、5-69ページ、LI5640取扱説明書 5-32ページ、5-70ページ

#01 Q:

パソコンへのデータ転送の最高速度は?

A:

LI5630/LI5640ではデータメモリ機能で大きなデータ領域が用意され、そこに取り込んだデータを蓄積、あとからGPIBで一括送信する方法が最速です。転送速度は下記の値です。
 約30s/2kデータ(ASCII)
 約0.5s/2kデータ(バイナリ)

この場合、最短のデータサンプリング周期は1/16ms(62.5μs)です。ただし、総データ数は64k点に制限されます。詳細はLI5630取扱説明書5-63ページ、LI5640取扱説明書5-66ページを参照ください。

その他機能 

#01 Q:

ローパスフィルタ部の遮断周波数や時定数の特性は通常のCRフィルタなどと同様なものですか??

A:

時定数回路のローパスフィルタはディジタルフィルタで、一次ローパスフィルタまたはそのカスケード接続をモデルにしています。遮断周波数は、通常のCRフィルタと同様です。詳細は、LI5630取扱説明書「4.6 時定数の操作および関連事項」、LI5640取扱説明書「4.7 時定数の操作および関連事項」項をご覧ください。

#01 Q:

内部発振器の出力を詳細に見ると、直流オフセットが加算されています。これを小さくする方法はありませんか?

A:

発振器出力と負荷の間にコンデンサを接続して直流を除去してください。

他の方法として、内部発振器の出力振幅設定を大きくして、信号出力にアッテネータを入れるという方法があります。オフセットが発信器出力振幅として比べて小さくなります。

Tips

内部発振器はすべて直流結合回路で構成されております。そのため、直流オフセットを完全にはゼロにすることはできません。そのレベルは通常の市販のファンクションジェネレータと同程度です。

発振器出力と負荷をコンデンサ結合にすると直流分をゼロにできます。

使用周波数をf [Hz]、結合コンデンサをC [μF]、出力信号を接続する負荷側機器の入力インピーダンスをR [kΩ]とすると、C=160/f/Rで求まるCの値の10倍の容量のコンデンサを接続してください。

ただし、この接続が使用周波数の1/10のハイパスフィルタを構成することになり、位相が5度程度変化しますのでご注意ください。

#01 Q:

故障しているかどうかはどのように確認しますか?

A:

基本的な動作は、取扱説明書「2.4 簡単な動作チェック」を参照の上確認してください。不明点がある場合には当社までお問い合わせください。