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使い方のヒント:イコライズ

イコライズとは、ゲイン・フェーズ系の測定において,被測定回路との接続に使用するケーブルやプローブにより生じる測定系誤差分を予め測定しておいて,ZGA本体に記憶させ,ゲイン・フェーズ測定結果を補正して測定系誤差分の影響を軽減する機能です。

ZGA5920 では,補正パレットでイコライズの設定を行います。補正パレットは、画面一番下の「補正」ボタンを押すと表示されます。

 

イコライズは,下記の手順で行ないます。

1)接続回路条件,測定信号出力条件およびスイープ条件の中で,スイープする周波数の範囲,測定点数,AC振幅その他の条件を、実際の測定で使用する値を設定します。

2)被測定回路を外し,入出力を直結します(伝達ゲインが0dB,0degとなる状態にします)。

3)「実行」ボタンを押してイコライズを開始し,スイープが終了するまで待ちます。

イコライズ測定を行っても,補正パレット右上にある,「有効」にチェックしないとイコライズは行なわれません。ご注意ください。

 一旦イコライズを無効にしても,イコライズデータはZGA内部に保存されています。再度“有効”にチェックを入れれば,再びイコライズが有効になります。

イコライズデータは,レシピに保存することができます。または,測定データと一緒に保存されます。精密な測定を実施する前には,再度イコライズを行ってください。


 

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補正パレット

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説明

 イコライズは,a)測定系誤差分を測定,b)被測定対象を含む測定データを補正する(イコライズを行う),の二つのステップで行われます。「図1 イコライズの原理」を例として,イコライズ操作手順を示します。

この例では,“Amp”,“Probe1”,“Probe2”の特性をキャンセルし,被測定回路(伝達関数はHdut)の特性を知りたいものとします。

イコライズの原理

 a) 測定対象を含む接続                              b) 測定系誤差測定時の接続

図1 イコライズの原理

まず,「図1 イコライズの原理」b)の接続でスイープ測定を行います。Ampの出力をVeqlとすると,測定信号入力1,測定信号入力2の入力電圧(各々V1e,V2e)は,下記のようになります。

              V1e = Veql × Probe1

              V2e = Veql × Probe2

上記の測定データをイコライズデータとして,ZGA本体内のイコライズメモリに記録します。イコライズメモリへは,(測定信号入力1/測定信号入力2)を記録します。したがって,イコライズメモリの内容EQLは,下記のようになります。

 

            formula1

             

次に,「図1イコライズの原理」a)のように接続して被測定系全体の測定を行います。ここで,Ampの出力電圧をVin,被測定回路の出力電圧をVoutとすると,ZGAによる測定データMEASは下記のようになります。

            formula2

上記測定データMEASをEQLの値でイコライズします。イコライズの処理は,測定データMEASをEQLで割る(正規化する)演算です。イコライズ処理後の測定データMEAS’は,

            formula3

となってProbe1,Probe2の影響が打ち消され,被測定回路の伝達特性Hdutが得られます。

下記の変更時は,イコライズ測定を再度行ってください。

  • 電源投入時

電源オフにより,イコライズデータは消失します。

  • 測定接続を変更したとき

測定信号入力1,2のプローブゲイン,位相特性が変化します。

  • スイープ範囲(スイープ最小値,最大値)を変更したとき

スイープ範囲が広くなると,補正データが存在しなくなる周波数領域が存在することになるので,補正が行なえません。

スイープ範囲が狭くなると,周波数補間を行なってイコライズを行ないます。補正は有効ですが,周波数測定ポイントが異なるので,再度の補正測定を推奨します。

  • 測定間隔を変更したとき

掃引のリニア/ログを変更しても,スイープ範囲が変更されていなければ周波数補間により補正を行なうので補正は有効ですが,周波数測定ポイントが異なるので,再度の補正測定を推奨します。

スイープ測定方向(Up,Down)の変更では,補正測定を再度行う必要はありません。

 


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